2021-11-17

元警察官が思う 警察官の結婚に適した時期

投稿者: KuRo

はじめに

久々に警察官の話を記事にします。
これは、フリーランスエンジニアのコミュニティで質問され、私なりの回答として作成したものです。

これから警察官になろうとする方や、友人、恋人が警察官だという方に参考になればと思います。

前提

私の経歴はこちらを参照ください。

警察官になってすぐ結婚はできない?

ぶっちゃけ、いつでも結婚は全寮制の警察学校の時期でもできますが、新婚早々別居というのも味気ないのでよく検討したほうがいいですね。

警察学校期間

大卒なら6か月 専門・高卒なら、警察官拝命(入校)から10か月の全寮制の警察学校があります。(初任科)
その間に結婚するのもできないことではないですが、勉学に励みたいでしょうから、この時期は避ける人が多いですね。

初任科修了後-現場研修

警察学校修了すると、県にもよりますが、半年ほど現場研修のため、警察署で交番勤務に就きます。
大体は、警察署近隣の寮に入るのがセオリーですが、実家や一般賃貸に住むことも可能です。

これを機に結婚する人もいますが、この後に再度全寮制の警察学校に入校(初任補習科)するので、新婚別居になりますから、要検討です。

初任補習科修了後-警察官本番開始

警察学校入校時点から給料はもらえるので、無収入になる期間はありませんが、手当など、十分な収入としては、一人前になってからになるので、結婚ということならば、警察官拝命から2年くらい(初任補習科修了後)のこの時期が良いとは思います。

とくにこの時期から、以下のような進みたい方向性に向けて、自らの行動の選択肢が与えられる時期です。

警察官としてどのように生きるのかの選択肢例
  • バリバリ仕事をして、出世街道に入っていく
  • 自分でなりたい警察官像を実現していく
  • 刑事・白バイなど憧れの部署に異動できるようにアプローチしていく
  • 仕事は仕事、プライベートを重視していく
  • 人生は川の流れのように・・・流されるままに流されていく

結婚という人生の大きなイベントと、パートナーとの長い長い期間に渡る関わり合い方を選択可能な時期ともいえます。

若い警察官に立ちはだかるもの

警察官は多種多様な役割、私生活の制約など、特殊な職業です。
一般企業の会社員や、高校・大学の常識は通用しません。
特に顕著となる2つを記載します。

出世・希望部署獲得競争

初任補習科修了後、晴れて一人前の警察官として現場に立ちます。
ここから出世競争・希望部署獲得競争が始まります。

私はプログラミングが面白くて、仕事にやりがいを見出すことができませんでしたが、普通に警察官を志望する人ならば、

  • 出世して幹部になる
  • 刑事になる
  • 白バイ隊員になる

などの将来ビジョンを持っていることでしょう。

そのためには、それなりに実績やコネ(※)が必要なので、残業とか休日出勤とか、先輩上司の心象が良くなる自主活動をすることになります。

(※)コネが必要な理由
  • 勤務評定は人間がつけます
  • 勤務評定がある程度高くなければ希望は通らない、昇任も遠のく
  • 希望部署への異動の時は、その部署の有識者の意見ヒアリングが必ずあります
  • 意見ヒアリングで、部署が欲しいと言わなければ希望は通りにくい

警察官は試験制度で昇任するので、試験勉強ばかりやって、仕事をおろそかにする人も私の周辺にいましたが、現在はそんな簡単な話は通用しないと思います。

住居と出世・希望部署獲得競争の相関関係

若い警察官には、より多くの経験をさせようとする風潮があります。
以下のような事案は、地域的な差はあれど、機会に恵まれず、経験できるうちに経験しておくべき事案だと思います。
事実私も若いときに、休日に呼び出され、積極的に以下のような現場の経験を積みました。

それぞれ専門部署はありますが、若い人員に経験させろの風潮から、「応援要員」として駆り出されることのある例です。

若い警察官が早いうちに経験すべき事案例
殺人事件などの重大事件現場 生々しい現場や、現場検証などは処理が早く、事件直後の現場経験は貴重
捜査本部が設立されるなどの注目される捜査 いつもの交番勤務とは違い、統制の取られた大人数による本部統括の事件捜査を経験
交番勤務員の身分にいながら、刑事として聞き込み、張り込みなども経験できる
凄惨なご遺体の検視 焼死、溺死、飛び降り、練炭など、見るに堪えないご遺体の検視(ご遺体の調査)は、精神的ダメージが大きいですが、警察官として大切な仕事
大規模な交通取り締まり 県下一斉取り締まりなど多くの人員を要するケースや、過積載重量取り締まりなど、大掛かりな設備が必要となる取り締まりなど
反社会的組織の設備に対する強制捜索 対象組織が銃器を所持しているなど、危険な設備への踏み込みや、捜索差押の現場
重大事件の被疑者の緊急逮捕後の処理 通常逮捕や現行犯逮捕とは違い、緊急逮捕の場合は、事後の手続きのスピードが命。猫の手も借りたいから、寮にいる休みの新人はよく呼び出されます。
この手続きを早く身に着けるのは実績に直結します。

よい経験ができる事件が勤務時間帯に起きるとは限りません。

そのため、休日出勤や勤務時間外に「良い経験だから」と、現場に向かうこともしばしば

もちろん、これをブラックだ、というのも間違いじゃないですが、出世競争、希望部署獲得競争に勝つためには、積極的に取っていくほうが良いのも確かです。
より多くの経験を早いうちにした人材が、経験の少ない人材より需要がないはずがありません。

そのため、警察署近隣の寮に住んでいる独身のほうが、呼び出される機会が多く、このケースにとっては優位です。
この時期に新婚さんだと、なかなか辛みもありますよね。

家族の事情や結婚を理由として、寮ではなく一般賃貸などに住むことも可能ですが、上記のことから結婚に消極的になる人もいるでしょう。

タイプ別-警察官の結婚適正時期

カップルのタイプ別に、結婚の適正時期を私なりに記載してみます。

仕事に生きるタイプ・障害はあっても結婚を急ぎたいタイプ

 今すぐに結婚OK、ただし、警察学校は全寮制なので別居になる
仕事で家にいないパートナーを許容できるなら、このタイプかもですね。
早いうちに結婚してしまってもいいとは思いますが、出産は全寮制ではない初任補習科修了後が良いと思います。
お母さんにとっても、お父さんにとっても、一番かわいい乳幼児の時期に一緒に住めないのは、寂しいし、お母さんの負担も大きいです。

新婚を楽しみたいタイプ

拝命から2年後の初任補習科修了後結婚、別居を避けてオンオフ調整可能になる時期に新婚さん
仕事に打ち込むよりもプライベートを重視するなら、初任補習科修了後に結婚し、仕事もほどほどに調整でき始める時期に、新婚生活があったほうが良いと思います。
出産は新婚の時期を楽しんでから、というならこの時期かなと。

急がない結婚

拝命から5年後、地に足が着くころに新婚、出産
警察官は初任補習科修了後、短期間に異動することが多いです。
多いのが、最初の警察署から2年程度で若いうちに機動隊に行く例です。
私も成田空港警備隊に埼玉から出向しました
こうなると、奥さんも一緒についていく必要が出てくるなど、引っ越し費用がかさむ等のデメリットがあります。

機動隊は独身なら入寮したほうが都合よく、推奨もされますから、この時期の結婚もハードルがあります。
機動隊(や機動捜査隊などのいわゆる執行隊といわれる部署)から警察署や警察本部へ異動したら、ようやく地に足がつく時期になります。

このころは、だいたい巡査部長に昇任して、給与もまぁまぁになっているころです。(拝命からだいたい5年くらい)
ここで結婚、出産だと、住まい、財政、時間的に盤石な家庭形成になると思います。

まとめ

何事も自分たちにフィットするものを選ぶのが大切です。
お二人にとって、結婚後どのような生活を送りたいかをしっかり話し合って方向を合わせることは必須です。
仕事・住まいなどの環境が決まってから、お二人の方向性のずれに気づくと、修復がムズカシイです。
警察官は精神教育されるので、「環境に合わせて自分が変わる」努力をするために、パートナーにもこれを強要しがち。
なので、お二人にとって困らない環境構築を目指しましょう。