2023-08-11

たくさんのチャットやメール対応の経験から見えてきた、うまくまとめるコツ

投稿者: KuRo

この記事で紹介していること

フルリモートならば、地理的課題解決のほか、時間的解決もしたい!

みなさんフルリモートしてますか?
すっかりフルリモート業務に全身浴中の TechnoKuRo です。

フルリモートですと、オンタイムならばZoomやGoogleMeetで顔や資料を見ながら会話できますが、双方に時間合わせが必要ですよね。

リモート業務は地理的課題を解決しましたが、もう一歩進んでチャット・メールのコミュニケーションを活性化させて時間的課題を解決したいところです。
特にチャットによるコミュニケーションは、即時性が求められるうえ、データとして残るため、正確性も求められるストレスのある手段です。

 たくさんのチャット・メールコミュニケーションで「ウマクまとまった!」という経験、「失敗したなぁ~」という経験から、ケース・パターンが見えてきたので、自分のために整理してみることにしました。 
チャット・メールコミュニケーション課題解決提案概要
  • チャット・メールコミュニケーションで相手を怒らせたことのある人への改善案
  • 短時間で気持ちよく終わりにできるコツ
  • オンライン会議で時間的束縛から解放されることを促進!

※ チャットは時間的解決にならんじゃろ!という声は聞こえてきそうですが、オンライン会議よりはマシという前提で進めます????

この記事では、顧客が課題を持っていて、軽くチャット・メールで自社・自身に問い合わせをしてきたときを想定し、問い合わせを受ける側の視点で言葉を選んでいます。

良好なコミュニケーションにするためには?

まずはコミュニケーションが良好に終われるように、まずは目的を見失わないことです。

目的(コミュニケーションのゴール)

まずは何よりも目的を認識してみましょう。

コミュニケーションの目的
  • 顧客の課題を解決に導く(解決できた・できそうという雰囲気を出す)
  • 頼んでよかった!前進した!頼りになる!というイメージを与える(無能と思われないようにする)

回答者視点ではこれが目的になると思います。
この目的がなければ、コミュニケーション不要! 即中断していいでしょう。

目的を達成するための配慮ポイント

目的をまっすぐに達成するために配慮すべきポイントを整理してみます

目的を達成するための配慮ポイント
  • 課題のスコープを広げない・掘り下げない(というより、スコープを絞る or スコープをずらすよう誘導する)
  • 正確性や責任所在等については2次的課題!まずは一緒に悩む姿勢を示す
  • 手段は無限にあるのは当然! 1つでもいい! 解決可能な具体例をまずは示す

提供側はどうしても失敗時の責任とか、成功させなければという責任感に駆られます。
そんな責任はこの時点では実はないです!
 「そもそも難しいから悩んでいて、そんな簡単に解決できないから質問されている」 わけなので、そんなに構えずに、一緒に悩もうぜ! の姿勢、運命共同体感を出すことが、感情部分での勘所です。
解決できなかった時の「仕方ない」感を醸成して、「嫌な気分」になることを防ぎます。

書籍「7つの習慣」でも、 「終わりを思い描くことから始める」 という項がありました。
実はこれで課題解決になってしまうかもしれませんね!

成功と失敗を二分するポイント

実は失敗ケースに陥るのはほぼほぼ導入部分です

コミュニケーションが失敗に進む分岐
  • 質問に質問をする(スコープを狭めようとする意図が伝わってしまう)
  • 責任回避、面倒ごとの回避姿勢を前面に出す
  • 契約・責任範囲など、コミュニケーションの行き止りを見せてしまう

多くの質問者は、課題の全容が見えていません。
解決するために必要な情報や解決するために何をすべきかもわからない。
自分が感じる課題を解決に導くために、正しい質問をしているかさえわかっていないかも!

 とかく回答側は専門家なので、どうしても最適解を求めたくなります。  が、質問している人も、解決手段が無限にあることは理解しています。
壮大なプロジェクトを始めたいわけでなく、まずはサクッとゴールテープを切ってしまいたいわけです。

ここの意識齟齬が最も成功と失敗を二分するポイントです!

まずは解決する方法が重いか軽いか、それが分かればコミュニケーションとしては成功なんですよね。

ここまで双方が認識できれば及第点です。

このコミュニケーションを終わらせても、文句ないレベルです。(解決策が示せているので)
ですが、問い合わせを受ける側は、やっぱり「バリュー」を示したい!

回答側が持つべき意識(専門家としてのバリューを示す)

回答側は一般的に質問側よりも情報を持っていて、知的パワーバランスでいえば上位です。
「聞いてよかった!」を醸し出すには、以下の意識が必要です!

回答側のバリューを出すコツ
  • 契約範囲や自分の専門領域に照らして、今回はどれに該当するかを示す
  • 可能なら可視資料、図、資料URLなどを示す(調べてくれた感や、発言の信ぴょう性が出る)
  • 可能なら経験談、実例を示す(正直なところ過去経験の拡大でも解釈もOK)
 これこれ! これが知りたかったのよ! ってゼッタイなります!  こういう裏付け情報が質問者は欲しいんです。

正直、体験談なんてエビデンス示せない世間話なので、ちょっとかすってる程度の話題をちょろっと話せば、質問者にとっては大きなバリューに化けます!
タダ同然の自分の経験が黄金に化ける瞬間です! これって、回答者としても結構な快感!

まさにWin-Winです!

できるだけ早期にコミュニケーションを完了させるコツ

コミュニケーションは早く終わった方が双方のストレスが少ないです。
時折議論したい系の質問者もいますけど、コミュニケーションを終わらせてクールダウンしたほうが、良い結論になることも多いです。

まずはコミュニケーションに熱を持たせず、一区切りさせるために、私が実践していることを整理します。

早期に一区切りさせるコツ
  • 今思いつくことは以上!を示す
  • 具体的な提案内容は、質問者の手間ができるだけ少なく、すぐできるようなものを選ぶ
  • 自分も相手も手間がかからない方法を提案する(まずは一歩踏み出せる程度で)
  • より良い他の手段がその場で思いついたら付け加えるが、困らせることもあるので消極的で良い
  • 即解決できないことは、まずは第一歩目を示して、次のステップでもう一度考えましょうを提案する

質問パターン別 回答者の進めるべき方向

質問にはパターンがあります。
このパターンに応じて、良いコミュニケーションに進めるためには、取るべき手法が異なります。
以下はそれらをまとめたマトリクスです。

なお、回答例文については チャットならば極力短文で細切れ にすると、相手がリアクションしやすいです。
 メールなら想像できる範囲で、補足情報を提供 してあげると良い印象を与えます。

 いずれにしても「結論」から語ることが重要です 
質問パターン 進める方向・着眼点 質問例文 回答例文
決まった回答があるのを分かってる系 答えだけをサクッと回答、スコープは広げないが、留意点や過去事例があれば付け加える ○○を登録する方法を教えてください。どこを見ればわかりますか? ■■マニュアル(URLをつけて)に書かれています。この機能は以前にも誤登録の事例がありました。△△に注意してください。
一般的解法を聞きたい系 手間がかからないお手軽な方法をまずは示し、満足しなそうならば中・高程度の方法を示す うちのシステムで登録されている顧客情報を整理して分析・活用したい。 CRMツールを使うと良いです。CSVで出力してインポートすればまずはどんなことができるかはわかると思いますよ。
もっと分析を細かに実施したい場合は、顧客情報以外の情報も自動的に連携登録する機能を検討することになります。
議論したい系質問 真実はどうあれ、自分の考えや知っていることを回答する 御社の○○機能は、どうしてこういう機能にしたんですか?他社ではこうなんだけど。 私自身が知る限りでは、ユーザーの手間が最もかからず、法的・規約的にも必要十分満たすことをコンセプトとして開発されている経緯から、現在の仕様になったと理解しています。この機能は多くのユーザーに受け入れられ実績があるうえ、私の専門的な視点で評価しても、必要十分であると判断しています。
契約範囲度外視系 あくまで契約範囲の中でできる議論にスコープをずらして、解決の1つの手段や次の1手を示す うちで新たに導入予定の他社システムについて、御社の知見で調査・意見が欲しい。 弊社を選択したときの選定基準や判断に照らして、同等以上の信頼性や費用対効果が見込めるかをご検討いただくと良いでしょう。当時の調整連絡メールや共有資料などが残っていなければ、弊社から送付することは可能です。弊社内でご提供できる情報があれば提供できますので、必要な情報がございましたらお申し付けください。
質問文が不足して何を回答したらいいかわからない系 相手の求めていることを想像して仮定して回答(自分の手間がかからないことの範囲で) △△の登録ができないです。 △△の登録をしようとしたところ、■■というエラーが表示されたということと想像のうえ回答します。
もし違う場合にはスクショなどを添えて再送ください。
■■というエラーが表示された場合は・・・・・・
すでに怒ってるクレーム系 対応者を変えることを検討、組織で対応してクールダウンを目指す
まずは1人の担当者が対応することを避ける
相手も組織対応になると理想的
あなたの対応は不親切で、責任回避するような言い草で不愉快だ。 大変恐縮でございます。ご意見を頂戴しまして上長に報告のうえ、後ほどご連絡させていただきます。
ご連絡の折には、当初調整をしていただいていた○○課長にもご連絡を差し上げ、確実な解決を目指してまいります。

まとめ

質問者は自分の知り得る情報や手段ではもう前に進めないと判断して助けを求めています。
とはいえ多くの場合、ズバット解決できるとも思っていません。
そうならいいなという淡い期待はあるでしょうが。。。

要するに、自分が次に何をすればいいかが分かれば、ひとまず今のコミュニケーションは解決です。

チャットの場合ですと、議論に発展すると双方とも大変になりますし、過熱が始まると問題が大きくなりがちです。
いったん調査のためメール回答に変更することができるなら、時間を空けてじっくり複数人の視点や組織として対応することでクールダウンできます。組織には感情がないですからね????

課題が大きいならばしっかり予定を組んで、あるいは契約事にして対応するほうが健全です。

まずは「軽く相談」しているから「軽く回答」というコミュニケーションに徹すると、多くの場合は「よかったよかった」で終わります。
そういう体験を重ねて信頼を得ることで、次なる大きなチャンスにつなげられるはずです。

まずは相手の視線に自分の視線を合わせて、一緒に解決しようという意欲や温かさが伝わるスタートが切れるように心がけたいですね。